クラシックギター製作・販売・修理
佐藤クラシックギター工房

静岡県浜松市東区笠井新田町944-9

Tel:053-435-4053

木材について

 カタログなどの材料を見ると,スプルース,ドイツマツ,シダー,スギ,ローズウッド,ハカランダ・・・等々,様々な木材の名前が明記されています。スプルースは日本ではマツ?シダーはスギ?ハカランダって何?今さら人に聞けない素朴な疑問から,専門家でも勘違いしていることが多い木材について解説します。ギターに使われる木材はすべて輸入材で,もともと日本に存在しない(生育していない)ために,正しく日本語に訳すことができず,それまで国内にあった類似の樹木の名称を使ってしまったために,様々な誤解が生じているのです。

スプルース,松について

 表面板によく用いられるスプルースは,日本ではマツと呼ばれますが,これは庭木や街路樹によく使われるあのマツではありません。植物学的には同じマツ科に属しますが,トウヒ(唐檜)という木で,日本では北海道の一部と本州中部の高山地帯にのみ生育しています。トウヒは世界最大の巨木の一つで,カナダやアラスカでは樹高90m以上になるものもあり,いわゆる日本のマツとは異なります。

 ではなぜそのスプルースが,ドイツマツと訳されるのでしょうか?スプルース(正しくはマツ科/トウヒ属)は元々北米原産ですが,その亜種がヨーロッパにあり,それがオウシュウトウヒと呼ばれます。このオウシュウトウヒは,モミの木と区別が困難で,クリスマスツリーにもよく使われ,木目も真っ直ぐ,軽くて加工性がよく,乾燥による収縮も小さく狂いも少ないために,スプルースの代替材として用いられ,ヨーロッパでは最も主要な樹木となっています。そのためスプルースよりも材料として広く流通し,このオウシュウトウヒがスプルースと呼ばれるようになりました。つまり亜種が本家より有名になり,本家を凌駕してしまったと言うことです。日本でも植物学的には,オウシュウトウヒという名称が使われますが,一般的な流通名としてはドイツマツ,ドイツトウヒ,ヨーロッパトウヒなどが使われます。

 なぜドイツかは諸説ありますが,オウシュウトウヒが一旦ドイツに集積され,そこから出荷されたために,ドイツという名が使われたと考えられます。つまりドイツマツは「ドイツ産のマツ」ではなく,正しくは「ドイツから出荷された,マツ科のスプルースの亜種であるオウシュウトウヒ」ということになります。

 現在,日本でギターに使われる材料としては,北米産の本来のスプルースと,ヨーロッパ産のオウシュウトウヒが,多くの場合は区別なくスプルースまたはドイツマツという名称で使われます。区別する場合には,前者をシトカスプルースまたはベイトウヒ(米唐檜)と呼ぶ場合もあります。

スプルース(カナダ)
スプルース材

オウシュウトウヒ(北ヨーロッパ)
オウシュウトウヒ材

シダー,杉について

 表面板によく使われるもう一つの材料シダー,スギについて説明します。ギターに使われるスギは,ヒノキ科/クロベ属に分類される樹木で,英名ではウェスタン・レッド・シダー,和名ではベイスギと呼ばれます。一方,日本国内に広く分布しているスギは,ヒノキ科/スギ属に分類され,学名もCryptomeria japonicaと表記される日本固有の樹木で,ベイスギとは異なるものです。

 本来シダーと呼べる樹木は,マツ科/ヒマラヤスギ属に分類される樹木(和名ヒマラヤスギ)だけですが,ヒマラヤスギに外見や香りなどが似た樹木も一般的にシダーと呼ばれます。これは植物学的な分類による名称ではなく,一般名ですので,正しい呼称ではないのですが,現在では英名でも,本来のシダーであるヒマラヤスギ属以外の樹木に,レッドシダー,ホワイトシダーという名称が広く使われています。また日本のスギがジャパニーズシダーと英訳されたために,日本では,シダー=スギという訳が慣例となり,本来のシダーであるヒマラヤスギ以外にも○○スギという呼称が用いられるようになりました。

ウェスタン・レッド・シダー
(ベイスギ)
ウェスタン・レッド・シダー材

ヒマラヤスギ

ローズウッド,ハカランダ(ジャカランダ)

 ギターの裏板や側板に使われる主な材料にローズウッドがあります。またハカランダ(ジャカランダ)という名もきっと良く耳にすることでしょう。特に日本ではハカランダは高級ギターの代名詞ともいわれ,ハカランダが使われているだけで,価格が大幅に上がる傾向にあります。そんなローズウッド,高級木材ハカランダについて解説します。

 ガーデニングをやる方であれば,ハカランダの苗が売られているのをご存じでしょうし,静岡県の熱海市では,メインストリートの街路樹がハカランダで,ハカランダの花を鑑賞するための大規模な公園まで整備されており,思いのほか身近な樹木であることが分かります。実は世間一般でハカランダ,ジャカランダと呼ばれている樹木は,ノウゼンカズラ科の樹木で,ギターに使われるハカランダとは,何の関連もない全く別の樹木なのです。一方ギターで使われるハカランダは,マメ科/ツルサイカチ属に属する樹木で,学名はDalbergia nigra,英名がブラジリアン・ローズウッドです。つまりブラジル産のローズウッドのことなのです。特にその中でも,ブラジル・バイーア州東部からリオデジャネイロにかけての地域で産出される良質なローズウッドを,別名ハカランダと呼んでおり,ハカランダという名の樹木があるわけではありません。ハカランダという名称の由来については,生育する地域であるアマゾン川の支流の名前だという説がありますが,ハカランダが産出される地域は大西洋側ですので,これについては疑わしいです。

 ハカランダはアメリカ大陸発見後,インド産ローズウッド(インディアン・ローズウッド)の代替材として北米を中心に家具などに使われはじめ,1960年以降ブラジル政府が,国内の木材加工産業の発展と保護のため原木の輸出を規制したことにより価格が高騰しました。さらに1992年にワシントン条約の絶滅危惧種(レッドリストI)に登録されたために,その希少性が高まり,最も高価な木材の一つになりました。特に日本のギター業界では,ハカランダ至上主義のようなものがあり,ハカランダを使っていれば,高価=音が良いと広く認識されているところがあります。しかしハカランダは,あくまでブラジルの一部地域で産出されるローズウッドであり,他のローズウッドと植物学的には変わらず,ハカランダが最上の材料であるという考えは,おそらく楽器メーカーや販売店のセールストークによるものだと考えられます。実際,インディアン・ローズウッドとハカランダの板を叩いて音を比較すると,インディアン・ローズウッドが「コンコン」という深みのある音に対して,ハカランダは「カンカン」というやや金属的な硬い音がします。これらのどちらが優れているというものではなく,これは音の好みによる違いだと言えます。またヨーロッパでは,古くからハカランダが使われてきたために,インディアン・ローズウッドより優れていると言う意見もありますが,これは単に,南米がかつてスペインやポルトガルの植民地であり,インドより輸入しやすかったというだけではないでしょうか。

 前述の通り現在ハカランダは,ワシントン条約で輸出入が禁止されていますが,すでに持っている材料を使い,ギターを作り販売する事は禁止されておりませんので,現在でもハカランダを使ったギターは生み出されています。しかし近年ではハカランダが国際条約で禁止されているという事も広く知られてきましたので,ハカランダという名称は使わず,中南米ローズウッド,ブラジリアン・ローズウッドという名前を用いることが多くなってきました。

 また2017年よりワシントン条約により,ハカランダだけでなく全てのローズウッド属の木材(世界中に約150種以上存在するツルサイカチ属 Dalbergia 全体)が,ワシントン条約の規制対象となりました。ローズウッドの在庫が国内にあるうちは,使用可能ですが,いずれ在庫がなくなれば新たな輸入が極めて困難ですので,近いうちにローズウッドを使ったギターはなくなってくることでしょう。どんな製作家,メーカーも,ローズウッドに代わる代替材料を何にするかが今後の大きな課題でしょう。

インディアン・ローズウッド
インディアン・ローズウッド材

ハカランダ(ジャカランダ)
(マメ科/ツルサイカチ属)
ハカランダ材

ハカランダ(ジャカランダ)
(ノウゼンカズラ科)ハカランダ
(ノウゼンカズラ科)の花

2017年よりワシントン条約の規制対象となったローズウッド属の木材(従来からの規制も含む)

上段:学名
下段:通称名

●Dalbergia nigra
ブラジリアン・ローズウッド
ハカランダ
ジャカランダ
●Dalbergia latifolia
イースト・インディアン・ローズウッド
ソノケリン
インドネシア・ローズウッド
●Dalbergia spruceana
アマゾン・ローズウッド
●Dalbergia cearensis
キングウッド
●Dalbergia decipularis
チューリップウッド
●Dalbergia frutescens
ブラジリアン・チューリップウッド
●Dalbergia stevensonii
ホンジュラス・ローズウッド
ニュー・ハカランダ
●Dalbergia retusa
ココボロ
サザン・アメリカン・ローズウッド
●Dalbergia tucurensis
ユカタン・ローズウッド
パナマ・ローズウッド
ニカラグアン・ローズウッド
●Dalbergia melanoxylon
アフリカン・ブラックウッド
グラナディラ
●Dalbergia baronii
マダガスカル・ローズウッド
パリサンダー
●Dalbergia maritima
ボア・ド・ローズ
マダガスカル・ローズウッド
●Dalbergia sissoo
ノースインディアン・ローズウッド
●Dalbergia oliveri
ビルマ・ローズウッド
手違紫檀
チンチャン
●Dalbergia cochinchinensis
本紫檀
●Dalbergia cultrata
カムピー・ローズウッド
ラオス・ローズウッド
ビルマ・ブラックウッド
インダイク

スプルース材とシダー材による音の違い

 ギターの表面板によく用いられるスプルース材とシダー材ですが,実際のギターでは塗装にもよりますが,表面板が白〜黄色に見えるものがスプルース,茶色〜赤褐色に見えるものがシダーです。一般的にはそれぞれ次のような違いや特徴があります。


スプルース(マツ)

・芯があり透明感がある音
※スギと比べると音がやや硬く,メタリックな音と感じる場合もあります

・音に重量感がある

・タッチの差による音色変化が大きい
※つまり音楽表現の幅が広い

・弾き込みによる音質の変化が大きい
※本来の音が出るまでには,ある程度の期間の弾き込みが必要


シダー(スギ)

・明るく暖かみがある音
※スプルースに比べると,ややぼやけていると感じることもあります

・音のレスポンス(反応)が良い

・高音が太く,スプルースより音量がある
※誰が弾いても,ある程度甘い音色が出せるが,タッチによる音色変化がスプルースに比べると乏しい

・弾き込みによる変化がスプルースほど大きくない
※最初から良く鳴るが,弾き込みによる音色変化はスプルースより少ない。


 これら材質による差は,どちらが優れているというものではなく,それぞれの個性であり,好みの問題となります。またスプルースを得意としているメーカー,シダーを得意としているメーカーもあり,そのメーカーや製作者の目指す音が,材料に表れているとも言えます。

表面板にスプルースを使ったギター

表面板にシダーを使ったギター

木材について

 カタログなどの材料を見ると,スプルース,ドイツマツ,シダー,スギ,ローズウッド,ハカランダ・・・等々,様々な木材の名前が明記されています。スプルースは日本ではマツ?シダーはスギ?ハカランダって何?今さら人に聞けない素朴な疑問から,専門家でも勘違いしていることが多い木材について解説します。ギターに使われる木材はすべて輸入材で,もともと日本に存在しない(生育していない)ために,正しく日本語に訳すことができず,それまで国内にあった類似の樹木の名称を使ってしまったために,様々な誤解が生じているのです。

スプルース,松について

 表面板によく用いられるスプルースは,日本ではマツと呼ばれますが,これは庭木や街路樹によく使われるあのマツではありません。植物学的には同じマツ科に属しますが,トウヒ(唐檜)という木で,日本では北海道の一部と本州中部の高山地帯にのみ生育しています。トウヒは世界最大の巨木の一つで,カナダやアラスカでは樹高90m以上になるものもあり,いわゆる日本のマツとは異なります。

 ではなぜそのスプルースが,ドイツマツと訳されるのでしょうか?スプルース(正しくはマツ科/トウヒ属)は元々北米原産ですが,その亜種がヨーロッパにあり,それがオウシュウトウヒと呼ばれます。このオウシュウトウヒは,モミの木と区別が困難で,クリスマスツリーにもよく使われ,木目も真っ直ぐ,軽くて加工性がよく,乾燥による収縮も小さく狂いも少ないために,スプルースの代替材として用いられ,ヨーロッパでは最も主要な樹木となっています。そのためスプルースよりも材料として広く流通し,このオウシュウトウヒがスプルースと呼ばれるようになりました。つまり亜種が本家より有名になり,本家を凌駕してしまったと言うことです。日本でも植物学的には,オウシュウトウヒという名称が使われますが,一般的な流通名としてはドイツマツ,ドイツトウヒ,ヨーロッパトウヒなどが使われます。

 なぜドイツかは諸説ありますが,オウシュウトウヒが一旦ドイツに集積され,そこから出荷されたために,ドイツという名が使われたと考えられます。つまりドイツマツは「ドイツ産のマツ」ではなく,正しくは「ドイツから出荷された,マツ科のスプルースの亜種であるオウシュウトウヒ」ということになります。

 現在,日本でギターに使われる材料としては,北米産の本来のスプルースと,ヨーロッパ産のオウシュウトウヒが,多くの場合は区別なくスプルースまたはドイツマツという名称で使われます。区別する場合には,前者をシトカスプルースまたはベイトウヒ(米唐檜)と呼ぶ場合もあります。

スプルース(カナダ) スプルース材

オウシュウトウヒ(北ヨーロッパ)
オウシュウトウヒ材

シダー,杉について

 表面板によく使われるもう一つの材料シダー,スギについて説明します。ギターに使われるスギは,ヒノキ科/クロベ属に分類される樹木で,英名ではウェスタン・レッド・シダー,和名ではベイスギと呼ばれます。一方,日本国内に広く分布しているスギは,ヒノキ科/スギ属に分類され,学名もCryptomeria japonicaと表記される日本固有の樹木で,ベイスギとは異なるものです。

 本来シダーと呼べる樹木は,マツ科/ヒマラヤスギ属に分類される樹木(和名ヒマラヤスギ)だけですが,ヒマラヤスギに外見や香りなどが似た樹木も一般的にシダーと呼ばれます。これは植物学的な分類による名称ではなく,一般名ですので,正しい呼称ではないのですが,現在では英名でも,本来のシダーであるヒマラヤスギ属以外の樹木に,レッドシダー,ホワイトシダーという名称が広く使われています。また日本のスギがジャパニーズシダーと英訳されたために,日本では,シダー=スギという訳が慣例となり,本来のシダーであるヒマラヤスギ以外にも○○スギという呼称が用いられるようになりました。

ウェスタン・レッド・シダー
(ベイスギ)
ウェスタン・レッド・シダー材

ヒマラヤスギ
ヒマラヤスギ材

ローズウッド,ハカランダ
(ジャカランダ)

 ギターの裏板や側板に使われる主な材料にローズウッドがあります。またハカランダ(ジャカランダ)という名もきっと良く耳にすることでしょう。特に日本ではハカランダは高級ギターの代名詞ともいわれ,ハカランダが使われているだけで,価格が大幅に上がる傾向にあります。そんなローズウッド,高級木材ハカランダについて解説します。

 ガーデニングをやる方であれば,ハカランダの苗が売られているのをご存じでしょうし,静岡県の熱海市では,メインストリートの街路樹がハカランダで,ハカランダの花を鑑賞するための大規模な公園まで整備されており,思いのほか身近な樹木であることが分かります。実は世間一般でハカランダ,ジャカランダと呼ばれている樹木は,ノウゼンカズラ科の樹木で,ギターに使われるハカランダとは,何の関連もない全く別の樹木なのです。一方ギターで使われるハカランダは,マメ科/ツルサイカチ属に属する樹木で,学名はDalbergia nigra,英名がブラジリアン・ローズウッドです。つまりブラジル産のローズウッドのことなのです。特にその中でも,ブラジル・バイーア州東部からリオデジャネイロにかけての地域で産出される良質なローズウッドを,別名ハカランダと呼んでおり,ハカランダという名の樹木があるわけではありません。ハカランダという名称の由来については,生育する地域であるアマゾン川の支流の名前だという説がありますが,ハカランダが産出される地域は大西洋側ですので,これについては疑わしいです。

 ハカランダはアメリカ大陸発見後,インド産ローズウッド(インディアン・ローズウッド)の代替材として北米を中心に家具などに使われはじめ,1960年以降ブラジル政府が,国内の木材加工産業の発展と保護のため原木の輸出を規制したことにより価格が高騰しました。さらに1992年にワシントン条約の絶滅危惧種(レッドリストI)に登録されたために,その希少性が高まり,最も高価な木材の一つになりました。特に日本のギター業界では,ハカランダ至上主義のようなものがあり,ハカランダを使っていれば,高価=音が良いと広く認識されているところがあります。しかしハカランダは,あくまでブラジルの一部地域で産出されるローズウッドであり,他のローズウッドと植物学的には変わらず,ハカランダが最上の材料であるという考えは,おそらく楽器メーカーや販売店のセールストークによるものだと考えられます。実際,インディアン・ローズウッドとハカランダの板を叩いて音を比較すると,インディアン・ローズウッドが「コンコン」という深みのある音に対して,ハカランダは「カンカン」というやや金属的な硬い音がします。これらのどちらが優れているというものではなく,これは音の好みによる違いだと言えます。またヨーロッパでは,古くからハカランダが使われてきたために,インディアン・ローズウッドより優れていると言う意見もありますが,これは単に,南米がかつてスペインやポルトガルの植民地であり,インドより輸入しやすかったというだけではないでしょうか。

 前述の通り現在ハカランダは,ワシントン条約で輸出入が禁止されていますが,すでに持っている材料を使い,ギターを作り販売する事は禁止されておりませんので,現在でもハカランダを使ったギターは生み出されています。しかし近年ではハカランダが国際条約で禁止されているという事も広く知られてきましたので,ハカランダという名称は使わず,中南米ローズウッド,ブラジリアン・ローズウッドという名前を用いることが多くなってきました。

 また2017年よりワシントン条約により,ハカランダだけでなく全てのローズウッド属の木材(世界中に約150種以上存在するツルサイカチ属 Dalbergia 全体)が,ワシントン条約の規制対象となりました。ローズウッドの在庫が国内にあるうちは,使用可能ですが,いずれ在庫がなくなれば新たな輸入が極めて困難ですので,近いうちにローズウッドを使ったギターはなくなってくることでしょう。どんな製作家,メーカーも,ローズウッドに代わる代替材料を何にするかが今後の大きな課題でしょう。

インディアン・ローズウッド
インディアン・ローズウッド材

ハカランダ(ジャカランダ)
(マメ科/ツルサイカチ属)
ハカランダ材

ハカランダ(ジャカランダ)
(ノウゼンカズラ科)
ハカランダ
(ノウゼンカズラ科)の花

2017年よりワシントン条約の規制対象となったローズウッド属の木材
(従来からの規制も含む)

上段:学名
下段:通称名

●Dalbergia nigra
ブラジリアン・ローズウッド
ハカランダ
ジャカランダ
●Dalbergia latifolia
イースト・インディアン・ローズウッド
ソノケリン
インドネシア・ローズウッド
●Dalbergia spruceana
アマゾン・ローズウッド
●Dalbergia cearensis
キングウッド
●Dalbergia decipularis
チューリップウッド
●Dalbergia frutescens
ブラジリアン・チューリップウッド
●Dalbergia stevensonii
ホンジュラス・ローズウッド
ニュー・ハカランダ
●Dalbergia retusa
ココボロ
サザン・アメリカン・ローズウッド
●Dalbergia tucurensis
ユカタン・ローズウッド
パナマ・ローズウッド
ニカラグアン・ローズウッド
●Dalbergia melanoxylon
アフリカン・ブラックウッド
グラナディラ
●Dalbergia baronii
マダガスカル・ローズウッド
パリサンダー
●Dalbergia maritima
ボア・ド・ローズ
マダガスカル・ローズウッド
●Dalbergia sissoo
ノースインディアン・ローズウッド
●Dalbergia oliveri
ビルマ・ローズウッド
手違紫檀
チンチャン
●Dalbergia cochinchinensis
本紫檀
●Dalbergia cultrata
カムピー・ローズウッド
ラオス・ローズウッド
ビルマ・ブラックウッド
インダイク

スプルース材とシダー材による
音の違い

 ギターの表面板によく用いられるスプルース材とシダー材ですが,実際のギターでは塗装にもよりますが,表面板が白〜黄色に見えるものがスプルース,茶色〜赤褐色に見えるものがシダーです。一般的にはそれぞれ次のような違いや特徴があります。


スプルース(マツ)

・芯があり透明感がある音
※スギと比べると音がやや硬く,メタリックな音と感じる場合もあります

・音に重量感がある

・タッチの差による音色変化が大きい
※つまり音楽表現の幅が広い

・弾き込みによる音質の変化が大きい
※本来の音が出るまでには,ある程度の期間の弾き込みが必要


シダー(スギ)

・明るく暖かみがある音
※スプルースに比べると,ややぼやけていると感じることもあります

・音のレスポンス(反応)が良い

・高音が太く,スプルースより音量がある
※誰が弾いても,ある程度甘い音色が出せるが,タッチによる音色変化がスプルースに比べると乏しい

・弾き込みによる変化がスプルースほど大きくない
※最初から良く鳴るが,弾き込みによる音色変化はスプルースより少ない。


 これら材質による差は,どちらが優れているというものではなく,それぞれの個性であり,好みの問題となります。またスプルースを得意としているメーカー,シダーを得意としているメーカーもあり,そのメーカーや製作者の目指す音が,材料に表れているとも言えます。

表面板にスプルースを使ったギター

表面板にシダーを使ったギター

佐藤クラシックギター工房

当工房は楽器小売店ではありませんので,在庫はありません。一般小売店での販売もしておらず,直接オーダーのみになります。ギター製作 〜 営業 〜 サイトの制作・管理 〜 経理まですべて私一人ですので,多くは製作できませんが,その代わりにご購入いただいた方に,価格以上のものだと十分満足してもらえるよう,心を込めて製作します。

住所:静岡県浜松市東区笠井新田町944-9
Tel:053-435-4053

佐藤クラシックギター工房

当工房は楽器小売店ではありませんので,在庫はありません。一般小売店での販売もしておらず,直接オーダーのみになります。ギター製作~営業~サイトの制作・管理~経理まですべて私一人ですので,多くは製作できませんが,その代わりにご購入いただいた方に,価格以上のものだと十分満足してもらえるよう,心を込めて製作します。

住所:静岡県浜松市東区笠井新田町944-9
Tel:053-435-4053

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