Model SL-B

297,000円(税込・ケース付)

 新たにクラシックギターを始めてみたいというギター初心者や,量産品からのグレードアップをお考えの一般愛好家にとり,手工品のクラシックギターは,価格的にハードルが高いかもしれません。そこで手工品グレードの楽器を,よりお求めになりやすい価格で提供するために,様々な工夫で低価格化を図ったものがこのSL-Bです。比較的購入しやすい価格で提供することにより,少しでも多くの方にクラシックギターの良さを味わってもらい,その音楽をより手軽に楽しんでいただくためのエントリーモデルです。

 

 より低価格で質の高いものを提供するために,様々なコスト削減を行いましたが,楽器の品質に最も重要である表面板のスプルース(松),裏・側板のローズウッドなどの材料には,上位モデルと同等なものを惜しみなく使用しています。ギターに使われる木材はその全てが外国からの輸入材です。そのため人件費が安い海外で,ギター用に合わせて製材してから輸入し,ネックやヘッドなど音に直接影響がなく,成形に手間のかかる部分は積極的に外部に委託し,当工房で組立,塗装,細かなパーツの製作,調整を行うことにより低価格を実現しております。

 

 ギターの表面板の裏側には,力木という数本の木材が取り付けられており,ギターの音質は,この力木の長さ,太さ,配置などにより決まります。それぞれの製作家やメーカーは,ここに様々な工夫をこらすことにより,独自の音を追求しています。19世紀末からクラシックギターでは,6〜7本の力木を団扇の骨のような扇状に配置する方法が最も一般的ですが,現代のアコースティックギター(フォークギター)などでは,より大きく張りのある音を目指し,主に格子状の力木配置が採用されています。このSL-Bでは,アコースティックギターのような格子状力木をクラシックギター用に改良した配置を採用し,より明瞭で明るい音を追求しました。

 

 Model SL-Bは,私が理想とするフランスのブーシェという名器の音作りを参考にしました。復元品(レプリカ)もしくはコピーモデルではなく,その音の傾向を独自に解釈した物です。SL-Bは甘く柔らかで,艶のある音質が特徴です。

◆材質

表面板:スプルース(松)

裏 板:ローズウッド

側 板:ローズウッド

ネック:マホガニー(エボニー補強入)

指 板:エボニー

 駒 :ローズウッド

塗 装:ラッカー

◆その他

構 造:格子状力木配置

フレット:20フレット有り

ペ グ:ゴトー 35AR1600(アルミ軸/象牙調つまみ)

    ゴトー 35ARB1600(黒アルミ軸/黒檀つまみ)

​   (ゴトー35AR510シリーズにグレードアップ可能)

◆サイズ

弦 長:650mm

全 長:1004mm

胴 幅:280mm(上部最大)

   :235mm(くぶれ部分)

   :370mm(下部最大)

胴 厚:98mm(ネック接合部)

   :104mm(底部)

ネック幅:52mm(0フレット)

    :63mm(12フレット)

ネック厚:21mm(1フレット)

    :22mm(9フレット)

◆​ワシントン条約改正による材料の変更について

 裏板,側板,ブリッジ,ヘッドに従来使用していたローズウッド(品種に関わらずマメ科の木材すべて)は,希少動植物保護を目的としたCITES<ワシントン条約>の2017年の改正により,事実上輸出入出来なくなりました。そのため,当工房では希少動植物保護の観点から,いち早くワシントン条約を遵守することとし,ローズウッドの在庫がなくなり次第,ハワイアンコアという木材を使用することに致しました。ハワイアンコアは古くからウクレレでは最高級材料として使用されておりますが,幅の広い板を取ることが困難なため,これまでギターにはあまり用いられてきませんでした。しかし実際にはローズウッドより希少価値の高い木材で,ギター用材として使うには最適です。

 材料の変更により,音には大きな変化はございませんが,やや明るめの明瞭な音になる傾向があります。また木目,色合いなど外観の印象がやや明るい茶色になりますことをご了承下さい。