Model 19th Century

310,000円(税込・ケース付)

 現在使われているクラシックギターは,19世紀末〜20世紀初頭にスペインのアントニオ・デ・トーレスという製作家が,考案したものがモデルとなっており,現代のクラシックギターはすべてこのトーレスの流れを汲んでいると言えます。トーレスはそれまでのギターよりも,より大きな音,力強い音をめざし,ボディーを大型化し,表面板の裏側に力木という響棒を付けました。そのトーレス以前のギターは,現代のギターよりずっと小型で,そうした19世紀当時のスタイル(構造,材料,大きさ)で作られたギターを,最近では現代のギターと区別するために「19世紀ギター」と呼んでいます。19世紀のヨーロッパでは,ソルをはじめ数多くの優れたギタリスト,ギターのための作曲家が数多く現れ,ギター全盛期と言える時代でした。現在クラシックギターの主なレパートリーとなっているソル,ジュリアーニ,カルカッシ,カルリ,コスト,メルツら古典,ロマン派の作曲家達は,こうした19世紀ギターを使い作曲していましたので,当時使われていたようなギターを使うことにより,作曲家が本来意図した音や運指で,彼らの音楽を再現することが可能となります。

 

 このModel 19th Centuryはそうした19世紀ギターのスタイルを持つギターです。19世紀ギターにもラコート,パノルモ,ファブリカトーレなど著名な名器がありますが,このモデルは特定のギターのレプリカ(コピー)ではなく,いくつかの19世紀ギターの特徴をミックスした設計です。本来はギター愛好家の方も,オリジナルの19世紀ギターを所有して,お使いになられたいという要望があると思いますが,各部のサイズだけでなく,保存方法,メンテナンスなどを考えると現実的ではありません。そこで現代のクラシックギターに慣れている一般の愛好家の方にも,手軽に19世紀ギターの音色を楽しんで頂くために,各部のサイズ(弦長は当工房のショートスケールモデルと同じ630mm),保存,メンテナンスについて,普通のギターと同じように扱える19世紀ギターにしました。

 

 表面板に力木はなく,ボディも非常に小さいので,現代のクラシックギターに求めるような音量と音質は,そもそも望めません。音色は太く重量感のある低音,きらびやかで甘い高音など,現代のギターの特徴とは正反対であり,軽く薄い低音,伸びのない詰まったような高音など,独特な素朴な音色が特徴で,それがかえって新鮮に感じることと思います。基本的に200年前のギターと同じ設計ですので,現代のクラシックギターと比較するような楽器ではなく,全く違う種類のギターであるとお考え下さい。現代のクラシックギターに飽きてしまった方,当時のギター音楽をより深く追求したい方,絶対的な音量よりも音の雰囲気を重視したい方,他人とは違ったギターを望んでいる方などに是非お薦めします。

◆材質

表面板:スプルース(松)

裏 板:メイプル(楓)(内側:スプルース)

側 板:メイプル(楓)(内側:スプルース)

ネック:マホガニー

指 板:エボニー

 駒 :エボニー

塗 装:セラック(艶あり)or

    オイルフィニッシュ(艶消し)

◆その他
◆サイズ

弦 長:630mm

全 長:970mm

胴 幅:257mm(上部最大)

   :182mm(くぶれ部分)

   :330mm(下部最大)

胴 厚:77mm(ネック接合部)

   :90mm(底部)

ネック幅:50mm(0フレット)

    :61mm(12フレット)

​弦 幅:40mm(0フレット)

力 木:補強用の横方向に3本のみ

​弦留め方法:ピン留め

フレット:20フレット有り

ペ グ:現代のギターと同じ仕様

    標準:ゴトー 35AR1600(アルミ軸/象牙調つまみ)

       ゴトー 35ARB1600(黒アルミ軸/黒檀つまみ)

​      (ゴトー35AR510シリーズにグレードアップ可能)

​ 弦 :アクィーラ社 ナイルガット弦